ムラカワコラム

粉体塗装の剥がれはなぜ起きる?対策方法や具体的な事例も紹介

粉体塗装の剥がれはなぜ起きる?対策方法や具体的な事例も紹介

粉体塗装とは、粉末でできた塗料によって塗装を行う手法であり、多くの業者が採用しています。多くのメリットがあると認識されている塗装方法ですが、ある原因によって塗装の剥がれが発生する恐れも。

この記事では、粉体塗装の剥がれが起こる理由や対策方法について、こだわりを持って各種塗装に従事する私たちムラカワが解説します。

剥がれが発生する事例のほか、粉体塗装の概要、メリット・デメリット、工程などについても触れていくので、粉体塗装にまつわる知識を得たい方はぜひご参照ください。

粉体塗装とは?

粉体塗装とは?

まず、粉体塗装とはどのような塗装方法なのか基本的な概要について説明します。メリット・デメリットや実際の工程も解説するので、粉体塗装の基礎について知りたい方はぜひ参考にご覧ください。

粉体塗装は粉末を使った塗装方法

粉体塗装(パウダーコーティング)とは、粉末状になった塗料を使う塗装方法のことであり、大きく分けると「静電粉体塗装」や「流動浸漬塗装」といった種類に分類することが可能です。

ムラカワではこの中でも静電粉体塗装を取り扱っているため、この記事では静電粉体塗装をメインに解説します。

静電粉体塗装:静電気の力を使いながら塗料を製品に直接吹きかけたあとに、高温で焼き付ける塗装方法のこと
流動浸漬塗装法:塗料が入った専門の容器の中に加熱した製品を入れる塗装方法のこと

粉体塗装のメリット

粉体塗装のメリットは下記の通りとなっています。

  • 環境にやさしい:有害な成分や二酸化炭素の大量排出などの心配が少ないため
  • 頑丈な製品が作れる:厚みのある塗装が実現できるため
  • 塗装の寿命が長い:サビにくく、ひび割れの危険性も少ないため
  • コストパフォーマンスが高い:今後塗り直しになる可能性が低いため
  • 作業時に扱いやすい:作業環境が変わっても大きな影響が受けにくいため

地球環境に配慮したい場合や長年使用できる製品が作りたい場合において、粉体塗装は有効な方法といえます。

粉体塗装のデメリット

粉体塗装には、メリットだけでなくデメリットも存在します。良い部分と悪い部分をともに知っておき、理解を深めましょう。

  • 対応力に劣る:色の加減や少量生産などが難しいため
  • 初期投資が必要である:作業用の設備が求められるため
  • 対応可能なカラーバリエーションが少ない:色の調整に制限があるため

こちらの記事でも、粉体塗装のメリット・デメリットについて説明しています。さらに詳しい情報が気になる方はぜひご覧ください。
【関連記事】焼付塗装と粉体塗装の違いって? それぞれの特徴やメリット・デメリットは?

粉体塗装を実施する工程

ここでは、ムラカワが実施している静電粉体塗装の工程について一例をご紹介します。

  1. 脱脂:製品に付いている油成分などを取り除く
  2. 目粗し(素地調整):サビを落とし、傷をつけることで塗料と表面がよく接着できるようにする
  3. 掃除・除電:ほこりや静電気などを取り除く
  4. 下塗り:サビの防止や次に塗る塗料をよく密着させるために塗料を塗る
  5. 上塗り:天候などによる耐久性や見た目をより良くするために塗料を塗る
  6. 焼付乾燥:塗装を行った製品を高温で乾燥させる

このような方法によって、質の高い製品をお客様に届けています。粉体塗装についてご検討中の方は、ぜひムラカワにご相談ください。
【関連情報】ムラカワでの作業風景や品目・使用塗料などのご紹介はこちら

粉体塗装が剥がれる理由

粉体塗装が剥がれる理由

製品に粉体塗装を実施しても、場合によっては塗装が剥がれてしまう危険性があります。そのような事態が発生する主な理由を説明するので、ご参考になさってください。

素地調整の不具合が剥がれの主な理由

粉体塗装における剥がれの主な原因は、素地調整の問題だといわれています。なぜなら、粉体塗装を適切な状態で維持させるには、素地調整を正しく行って塗料と表面の密着性を高めることが必要だからです。

粉体塗装では1回塗りのみで作業を完了させることもあるため、素地調整を含めた前処理に力を入れることが求められます。

剥がれの理由はほかにも考えられる

粉体塗装が剥がれる原因は、素地調整の不具合のみではありません。たとえば、焼き付けが足りなかったことなどが例に挙げられるでしょう。ただし、いくつかの原因が混在する場合もあるため、さまざまな可能性を検討する必要があります。

こちらの記事では、粉体塗装とも関連が深い「焼付塗装」の剥がれについて解説しています。ぜひ本記事とあわせてご覧ください。
【関連記事】焼付塗装の剥がれの原因は? 塗装が剥がれても補修はできる?

粉体塗装が剥がれる事例

この段落では、粉体塗装が剥がれてしまう具体的な事例を紹介します。代表的な例でいうと、「メッキ処理が施された製品の素地調整が足りず、焼き付け後に行う碁盤目試験で剥離が見られた」「塗料の密着度が不足しており、テープなどを剝がした際にまとめて剝げ落ちてしまった」などが例に挙げられるでしょう。

このような事例を防ぐために、塗装業者はさまざまな対策方法に取り組んでいます。

こちらの記事では、静電粉体塗装の耐用年数について触れているのでぜひご確認ください。
【関連記事】焼付塗装の料金って?価格を決める要素や見積りについて解説

粉体塗装の剥がれを防ぐために必要な要素

業者側が配慮している粉体塗装の剥がれに関する対策方法には、どのような種類があるのでしょうか。

粉体塗装の剥がれは素地調整の不具合によって起こることが多いため、念入りに前処理を行うことが求められます。ムラカワでは、前処理として脱脂や素地調整を徹底的に実施。お客様に安心してご対応いただけるよう、神経を注いでいます。

このほかにも、「適切な焼付けを実施する」「正しい素材を選択する」「各種チェックを行う」など、多くの対策方法が例に挙げられるでしょう。どの要素に力を入れているのか、業者に対して事前に確認しておくことをおすすめします。

静電粉体塗装に関するご相談は確かな知識と技術の「ムラカワ」まで!

ムラカワでは広島市安佐北区を拠点に金属焼付塗装やメラミン塗装をはじめ、アクリル塗装、ウレタン塗装、フッ素塗装、粉体塗装などさまざまな塗装に対応しています。

最新機械にも負けない職人技で、目指しているのは世界一の塗装屋です。
「確かな技術で明日を彩る」をモットーに、日々社員一人一人が塗装の知識を深め、技術や品質の向上を求めながら適正価格でお客様が信頼できるサービスを提供するよう努めています。

「こんな特殊塗装をお願いしてみたい」「大量の塗装に対応してほしい」など、ご要望に沿った提案をさせていただきますので、どんなお問い合せでも気軽にご相談ください!