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ムラカワコラム

化粧鋼板と焼付塗装の違いはどこにある?それぞれの特徴も紹介

化粧鋼板と焼付塗装の違いはどこにある?それぞれの特徴も紹介

「化粧鋼板」と「焼付塗装」は、どちらも金属表面の耐食性や見た目を向上させるための塗装・加工方法の一種ですが、両者には具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

そこで今回は、焼付塗装をはじめ、熟練の職人による手吹き塗装にて幅広い品目の塗装に対応するムラカワが、化粧鋼板と焼付塗装の特徴や概要、そして違いについて紹介していきます。

自社製品への塗装・表面処理の方法を検討するにあたり、化粧鋼板と焼付塗装の違いを知っておきたいという方は、ぜひ参考にご覧ください。

化粧鋼板とは?概要と特徴

まずは、化粧鋼板がどのような加工方法・製品なのかについて、確認していきましょう。

化粧鋼板(けしょうこうはん)とは、加工するために薄く板状に圧延した鋼板の表面に処理を施した「表面処理鋼板」の一種です。この表面処理鋼板とは、別名「プレコート鋼板」とも呼ばれるもので、加工・成型後に塗装する手間を省けるように、製品素材である鋼板の時点で何らかの表面加工や塗装を施した鋼板の総称です。

具体的には亜鉛やクロム、ニッケル、錫などの金属で鋼板表面をメッキ加工したものの他、塩化ビニルなどからできた樹脂塗料、またはシートを貼り合わせたものなどの種類があります。

このうち、鋼板の片面または両面に樹脂塗料による塗装をしたり、フィルム状の樹脂を貼り合わせたものが、化粧鋼板や塗装鋼板、ビニル鋼板、カラー鋼板などと呼ばれているのです。

化粧鋼板の特徴や用途の例

化粧鋼板の最大の特徴は、装飾性の高さ、色柄とカラーバリエーションの豊富さにあります。

樹脂塗料、または樹脂シートで鋼板を被覆する化粧鋼板では、さまざまな色で彩色できるだけでなく、木目調などの柄を付けたり、エンボス加工で立体的な装飾を施すことも可能です。

また装飾性の高さから、もともと耐食性の高い素材に対しても実施されるケースが多いこと、そして取り扱う企業によって加工方法・製品名の呼び方が異なるケースが多いところも、化粧鋼板の特徴と言えるでしょう。

なお化粧鋼板の主な用途としては、屋内用のドアやユニットバスの壁面材等の建築資材、文房具や事務用品、家電製品などが挙げられます。

焼付塗装とは?概要と特徴

焼付塗装とは?概要と特徴

続いて、焼付塗装がどのような塗装方法なのか、その概要や特徴について見ていきましょう。

焼付塗装(やきつけとそう)とは、熱重合反応を起こす専用の塗料で塗膜を形成した後、100度以上の高温で急速に塗膜を乾燥・硬化させる塗装方法の総称です。具体的には、主に鉄やアルミ、アルミダイキャスト、ステンレス、亜鉛ダイキャスト、真鍮等の金属の耐食性や耐久性、見た目や質感の向上のために実施される塗装方法であり、塗膜を形成する際には手吹き塗装や静電粉体塗装、電着塗装、ロータリ塗装等さまざまな手法が用いられます。

なおムラカワでは、職人による手吹き塗装にて、4種類の塗料を使用した以下の焼付塗装に対応しています。

  • メラミン樹脂焼付塗装
  • アクリル樹脂焼付塗装
  • 一液ウレタン樹脂焼付塗装
  • フッ素樹脂焼付塗装

【関連記事】ムラカワで扱う焼付塗装の種類とは?塗料それぞれの種類の特徴について解説

焼付塗装の特徴や用途の例

焼付塗装の代表的な特徴としては、短納期での納品に対応しやすいところ、そして自然乾燥させる場合に比べて塗料の密着度・硬度が高くなるところが挙げられるでしょう。

一般的に、素材に塗料を塗ってから自然乾燥させる場合は最低でも数日必要ですが、焼付塗装であれば30分程度の焼付乾燥後、粗熱が取れた時点で梱包・納品が可能です。また塗膜を急速に乾燥・硬化させるため、塗料の密着度と硬度が高く、表面に傷や跡が残りにくくなります。

また、用途やお客様からの要望に合わせて塗料を変えることにより、表面の色味や光沢、耐久性等をコントロールしやすいのも焼付塗装の特徴の一つです。そのため焼付塗装を施した金属製品は、屋内用の建材や事務用品だけでなく、屋外用の看板やカーテンウォール、屋根、外壁の他、車や工業製品等の部品などにも使われています。

なお焼付塗装の大まかな工程や方法、採用することのメリット・デメリットについては、以下の記事で詳しく紹介しています。自社製品に焼付塗装をすることを検討している方、焼付塗装の基礎知識について確認したいという方は、ぜひこちらも併せてご参照ください。

【関連記事】焼付塗装とは?方法や工程・使える金属などの基礎知識をまとめて解説

化粧鋼板と焼付塗装の主な違い3つ

最後に、ここまでに見てきた化粧鋼板と焼付塗装の概要・特徴を踏まえた上で、両者の違いをまとめて確認していきましょう。化粧鋼板と焼付塗装の大きな違いとしては、以下の3つが挙げられます。

化粧鋼板と焼付塗装の違い①塗装するタイミングの違い

化粧鋼板は、製品になる前の段階で塗装や樹脂シートの貼り付けを行いますが、焼付塗装では製品として成型・加工した後の金属表面に対して、塗装を実施するのが一般的です。

なおムラカワでは、幅広い品目の焼付塗装や静電粉体塗装等に対応していますが、化粧鋼板の製作は行っておりません。当社の主な塗装品目については、以下のページをご確認ください。

【関連情報】ムラカワで塗装可能な品目や事例・仕様と量等のご紹介はこちら

化粧鋼板と焼付塗装の違い②塗装方法の種類・選択肢の違い

化粧鋼板では、樹脂塗料の他にシートやフィルム状の樹脂を貼り付けて金属を被覆する塗装方法も取られますが、焼付塗装では溶剤塗料や粉末塗料等、専用の樹脂塗料だけを使用します。

一般的に焼付塗装では、シートやフィルム状の樹脂、塗料を使用することはありません。

化粧鋼板と焼付塗装の違い③色柄のバリエーションの違い

先述したように、木目調などのさまざまな模様や立体的な装飾を施せるところは、化粧鋼板の大きな特徴です。焼付塗装だけで、化粧鋼板のような木目調の柄や凹凸を使った装飾を表現するのは、おそらく難しいでしょう。

ただ焼付塗装においても、塗料を使い分けることでカラーバリエーションを増やしたり、表面に凹凸や装飾を付けて見た目の艶感、質感をある程度変えることは可能です。自社製品に焼付塗装を採用したいけれど、デザイン面やカラー展開において不安があるという場合も、ぜひ私たちムラカワまでお気軽にお問合せください。

各種塗装に関するご相談は確かな知識と技術の「ムラカワ」まで!

ムラカワでは広島市安佐北区を拠点に金属焼付塗装やメラミン塗装をはじめ、アクリル塗装、ウレタン塗装、フッ素塗装、粉体塗装などさまざまな塗装に対応しています。

最新機械にも負けない職人技で、目指しているのは世界一の塗装屋です。
「確かな技術で明日を彩る」をモットーに、日々社員一人一人が塗装の知識を深め、技術や品質の向上を求めながら適正価格でお客様が信頼できるサービスを提供するよう努めています。

「こんな特殊塗装をお願いしてみたい」「大量の塗装に対応してほしい」など、ご要望に沿った提案をさせていただきますので、どんなお問い合せでも気軽にご相談ください!