ムラカワコラム

焼付塗装の剥がし方は?剥離剤を使った代表的な方法や実施する上での注意点

焼付塗装の剥がし方は?剥離剤を使った代表的な方法や実施する上での注意点

金属をサビから守ったり、美しい見た目や手触りにする目的で施される焼付塗装ですが、経年劣化等から過度な塗装剥離が起こると、古い塗膜を剥がし、再塗装する必要が出てきます。

そこで今回は、焼付塗装をはじめさまざまな塗装に対応するムラカワが、焼付塗装の剥がし方について解説。代表的な剥がし方はもちろん、他の手法や塗料を剥離していく上での注意点等に至るまで、まとめて紹介していきます。

焼付塗装の剥がし方は大きく3つ

焼付塗装の剥がし方は大きく3つ

焼付塗装をはじめとした塗装の剥がし方には、大きく「化学的方法」「物理的・機械的方法」「熱的方法」の3種類があります。それぞれがどのような手法なのか、以下で一つずつ確認していきましょう。

その①化学的方法

まず1つ目は、剥離剤を使って焼付塗装を剥がす方法です。剥離剤とは、金属やガラス、プラスチック等の被塗装物や塗装治具に付着した塗料・接着剤等を剥がすための薬剤の総称であり、おおまかに以下のような種類があります。

  • 水溶液系
  • 溶剤系
  • アルコール系
  • 塩素系
  • 非塩素系
  • 塩化メチレン系  等
  • 化学的な焼付塗装の剥がし方としては、塗装を剥がしたい物に剥離剤を塗布するか、剥離剤の中に塗装を剥がしたい物を浸漬するやり方が一般的です。剥離剤は、塗膜表面や傷から内部へ浸透していき、被塗装物と塗膜との結合を弱めるとともに、膨張と軟化を引き起こします。

    その結果、素地である部材と塗膜の付着力が弱まり、塗装が剥がれていくという仕組みです。食器や調理器具に付いた油汚れを塗膜、これらを浮かせて落とす洗剤が剥離剤だとイメージすると、わかりやすいかもしれません。

    焼付塗装を化学的な方法で剥がすメリットとしては、後述する物理的・機械的方法に比べ労力が少なくて済むこと、そして剥離による部材への損傷を最小限に留められる点が挙げられるでしょう。

    その②物理的・機械的方法

    対して機械、または人力によってスクレーパーで塗装を削り取ったり、砂や水を高圧で噴射して塗膜を研磨する剥がし方のことを、物理的・機械的方法と言います。ただ、この物理的・機械的な焼付塗装の剥がし方は、剥離の過程で部材を傷めてしまうリスクが高いこと、また人力で行う場合に多大な労力を要することから、近年ではあまり行われていません。

    その③熱的方法

    そして熱的方法とは、塗装を剥がしたい物を高温で熱し、塗膜を熱分解する剥がし方です。
    具体的には、焼付塗装の熱硬化時よりも高い温度である400〜500℃に熱することで塗膜を焼き尽くす、または熱膨張で塗膜を浮き上がらせて、ワイヤー等で剥離する方法が取られます。

    ただ、こちらの剥がし方も物理的な面があるため、部材を傷めやすいという弱点があります。

    【関連記事】焼付塗装をする際の温度・時間の目安は?塗料の種類別に分かりやすく解説

    焼付塗装を剥がす時の注意点は?

    焼付塗装の剥がし方がわかったところで、ここからは、剥離作業を行う上での注意点について説明していきます。方法を問わず、焼付塗装を剥がす際に気を付けるべきポイントとしては、以下の2つが挙げられるでしょう。

    必要以上に部材を傷めないよう配慮する必要がある

    冒頭で述べたように、塗装を剥がす際には、その後新たに再塗装することが前提となります。

    そのため塗装を剥がす時には、原則として被塗装物である部材の損傷を最小限に留めることが強く求められます。焼付塗装の剥がし方を選ぶ時は、剥離後に再塗装をするのかどうか、また部材の傷み具合を考慮した上で、最適な方法を選ばなければならないのです。

    剥離剤の種類によっては作業に危険が伴うことも

    焼付塗装を剥がす際に使用する剥離剤は化学薬品であり、種類によっては、人体に悪影響を及ぼす恐れのある毒劇物や、労働安全衛生法に該当するものもあります。そのため、塗料の剥離作業を行う際には、保護手袋や保護メガネ、マスク等の保護具を着用しなければなりません。

    化学的方法、物理的・機械的方法、熱的方法のいずれかを問わず、焼付塗装の剥離には危険が伴います。塗装に関する専門知識のない方が、ご自身で剥離や再塗装を行うのは、避けた方が良いでしょう。

    焼付塗装を施した金属製品をはじめ、身近な品物の塗装の剥がれやサビの浸食等が気になっている場合は、塗装のプロに相談する必要があると覚えておいてください。

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    ムラカワでの焼付塗装の剥がし方

    ムラカワでの焼付塗装の剥がし方

    さまざまな塗装に対応する当社においても、以下のような理由から塗装剥離やサビが起きたために、塗装を剥がしてから再塗装してほしいという旨のご相談をいただくことがあります。

    経年劣化 紫外線や熱、湿気や雨による水分等、長年に渡り周辺環境からの影響を受けて少しずつ劣化が進み、塗膜が剥がれてしまうケース。また塗膜の剥がれ以外にも、変色や退色、艶がなくなる等の劣化が起こることもある。
    前処理の不備 塗装してからあまり時間が経っていない場合は、塗料の密着性を上げるためのケレン作業が不十分だったなど、何らかの加工不良が考えられる。
    塗料の硬化不足 前処理の不備と同じく、加工不良の一種。硬化不足によって塗料と部材の間にわずかな水分が残り、そこに空気が入って塗膜に浮きが生じるもの。

    【関連記事】焼付塗装の剥がれの原因は? 塗装が剥がれても補修はできる?

    そのようなご依頼があった場合、ムラカワではまず化学的方法で古い焼付塗装を剥がします。
    具体的には、部材や塗料の種類を問わずリムーバーと呼ばれる剥離剤に部材を浸漬させ、古い塗膜を剥がしていきます。その後、新しい塗膜が剥がれにくくなるように徹底的に下地処理を施した後、再塗装を行います。

    焼付塗装の剥がし方は業者・条件により異なる

    焼付塗装等による古い塗膜を剥がす際に使用する薬品の種類や量、温度等の使い方は、塗膜を剥離したい部材の塗装方法や塗料の種類、塗装業者の方針等により異なる場合があります。

    また、お客様から見て全体的な剥離と再塗装が必要な状態でも、プロの技術を使えば、より安価なタッチアップで修復できることも少なくありません。身の回りに塗膜の剥がれ等、塗装の不具合がある時は、まずはプロに状態を判断してもらい、剥離と再塗装の必要性や剥がし方について、提案を受けてみると良いでしょう。

    焼付塗装の剥がし方や再塗装のご相談は、確かな知識と技術の「ムラカワ」まで!

    ムラカワでは広島市安佐北区を拠点に金属焼付塗装やメラミン塗装をはじめ、アクリル塗装、ウレタン塗装、フッ素塗装、粉体塗装などさまざまな塗装に対応しています。

    最新機械にも負けない職人技で、目指しているのは世界一の塗装屋です。
    「確かな技術で明日を彩る」をモットーに、日々社員一人一人が塗装の知識を深め、技術や品質の向上を求めながら適正価格でお客様が信頼できるサービスを提供するよう努めています。

    「こんな特殊塗装をお願いしてみたい」「大量の塗装に対応してほしい」など、ご要望に沿った提案をさせていただきますので、どんなお問い合せでも気軽にご相談ください!